2018.10.5 05:00

【甘口辛口】「はたらく細胞」でノーベル賞・本庶佑氏発見の「PD-1」もすんなり理解!

【甘口辛口】

「はたらく細胞」でノーベル賞・本庶佑氏発見の「PD-1」もすんなり理解!

 ■10月5日 漫画「はたらく細胞」(清水茜、講談社)が、アニメ化されたこともあって人気だ。人の体内に入ってきた細菌、ウイルス、異物などと戦う細胞を擬人化し、その活躍を描くもの。キャラクターは白血球、赤血球、キラーT細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞など全て細胞名で統一され、免疫細胞の働きなどを学べる、ためになる漫画でもある。

 がん細胞とは、5巻までに多くのページを割き2度にわたる戦いを描いている。「がん細胞II」では白血球、NK細胞、メモリーT細胞(活性化したキラーT細胞)から、がん細胞を守る制御性T細胞が登場。「彼は外から来た敵ではない。この体から生まれた私たちと同じ細胞です。自己への攻撃はこの私が一切許可しません」と。

 今年のノーベル医学生理学賞に輝いた本庶佑氏が発見した、免疫の中心的役割を果たすT細胞の表面にある「PD-1」というタンパク質も制御性T細胞と同じ働きをする。

 本庶氏は、PD-1が免疫の働きを抑えるブレーキ役であることを突き止めた。ブレーキ信号を制御すれば免疫細胞の攻撃力が高まり、がんを治療できる。そう考えて全く新しいメカニズムのがん免疫治療薬「オプジーボ」の開発につなげた。PD-1が大切な免疫を抑える理由は、「はたらく細胞」の制御性T細胞をPD-1に置き換えれば、すんなりと理解できる。

 オプジーボは多くの種類のがんに効く利点があり、がん治療に革命をもたらす薬として脚光を浴びている。「はたらく細胞」でも、PD-1によって免疫力が弱まる自己矛盾に陥って敗れそうになったT細胞が、新薬の投与で力を取り戻してがんを退治する話が出てくるかもしれない。 (鈴木学)