2018.9.28 05:00

【甘口辛口】どん底からのV字回復を見せたウッズにダブる武豊

【甘口辛口】

どん底からのV字回復を見せたウッズにダブる武豊

武豊騎手

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 ■9月28日 タイガー・ウッズが米男子ゴルフのプレーオフ最終戦、ツアー選手権を制した。5年ぶりのV。最終18番ホールには数千の大観衆が押し寄せ完全復活を祝福した。2009年に不倫が発覚し翌年に離婚。持病の腰痛が悪化し昨年4月に4度目の手術を受け、5月には薬物などの影響下で車を運転して逮捕された。同年11月に世界ランクは自己ワーストの1199位まで急落したが、そこから文字通りのV字回復を遂げた。

 「今、プレーできることをとても幸運に思う」と語ったウッズの劇的なカムバックに、武豊をダブらせた競馬ファンは多かったのではないか。13年の第80回日本ダービー。キズナとのコンビで制した武豊は、スタンド前のインタビューで「僕は帰ってきました」と大観衆に向けて言った。

 10年の毎日杯での落馬負傷を境に勝ち鞍は激減。3年連続年間200勝超えなどで白星を量産してきた天才が、100勝もできない。苦境に立たされたときにキズナの騎乗が巡ってきた。「キズナで毎日杯を勝って、すべてを断ち切りたいという強い思いが湧いてきた」と述懐。スランプの発端となった因縁のレースを勝ち、気持ちが吹っ切れたという。

 キズナで5度目のダービージョッキーに輝いた後、勝ち星はV字回復とまではいかないが、16、17年にはキタサンブラックの主戦として圧倒的存在感を示した。

 その天才が前人未到のJRA(日本中央競馬会)通算4000勝まであと「3」としている。空前にしておそらく絶後の記録。「乗り続けられる限り」と生涯現役を宣言しているのでここがゴールではないが、競馬界にとって唯一無二の存在が達成の瞬間、どんな言葉を発するか楽しみだ。 (鈴木学)