2018.9.27 05:00

【甘口辛口】「貴乃花といえば改革」のイメージが一人歩きした末の悲劇…一番の被害者は弟子たち

【甘口辛口】

「貴乃花といえば改革」のイメージが一人歩きした末の悲劇…一番の被害者は弟子たち

貴乃花親方

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 ■9月27日 「弟子がかわいい」「これからも弟子たちを見守る」…。日本相撲協会に退職を届け出た貴乃花親方(元横綱)は会見で何度も「弟子」を口にした。それほど大事な宝を手放してまでの退職は、「清水の舞台から飛び降りる」ほどの覚悟だったのだろう。46歳と若いのにもったいない気もする。

 日馬富士傷害事件をめぐる告発状について、「事実無根と認めよ」とする協会の圧力が退職の背景という。親方の言う通りならパワハラだが、協会は否定している。とはいえ親方が提出したのは「退職届」でなく「引退届」だから受理できない、などと物言いをつけたのも貴ファンにとっては「いじめ」に映るらしい。

 どっちがどうというより、結局は「貴乃花といえば改革」のイメージが一人歩きした末の悲劇だった。日馬富士事件のときは協会からの文書を持参した理事を門前払いし、ポストに入れさせるなどやることは改革でなく反抗。「理事長はこの人」とみこしを担いだ親方たちも次第に腰が引けて気がつけば裸の王様状態になっていた。

 一門に属すことが決めごとになり手を差し伸べようという一門もあったが、親方はかたくなな姿勢を崩さなかった。本当に改革を志すなら土下座してでもどこかの一門に入れてもらい、体を張ってやり抜くのが筋ではないか。改革の具体策は何も発信されず、えたいの知れない改革路線だった。

 弟子には幕下以下の若い衆が5人。今年春場所初土俵の18歳もいる。「貴乃花親方だから…」と入門した彼らの今後はどうなるのか。協会に散々反抗しながら、いまになって「弟子がかわいい」もない。弟子こそ最大の被害者であることを忘れないでもらいたい。 (今村忠)