2018.9.3 05:00

【甘口辛口】録音テープの存在自体がパワハラでは…失礼千万でフェアプレー精神のかけらもない

【甘口辛口】

録音テープの存在自体がパワハラでは…失礼千万でフェアプレー精神のかけらもない

宮川紗江選手

宮川紗江選手【拡大】

 ■9月3日 これ自体すでにパワハラではないのか。宮川紗江選手からパワハラを告発された日本体操協会の塚原光男、千恵子夫妻が反論の決め手としてあげた録音テープの存在だ。「高圧的だった」とする宮川選手の主張に対し「録音内容をお聴きいただければ、決して高圧的な態度でないことをおわかりいただける」とプレスリリースで反論した。

 しかし、18歳の選手を付き添いもなしにひとりで呼び出し、協会幹部として圧倒的に強い立場にいる2人で話を聴くことは世間一般の常識とはかけ離れている。さらに何の断りもなく勝手に録音していたとは、犯罪にはならないにしても失礼千万でフェアプレー精神のかけらもない。

 暴力行為で無期限登録抹消処分を受けた宮川選手のコーチは地位保全の仮処分申請を取り下げ、問題は塚原夫妻のパワハラに絞られた。録音自体初めから何かを仕組んでいたと思われても仕方ない。夫妻は2日「プレスリリースにより宮川選手を深く傷つけた」として「直接謝罪したい」とのコメントを発表したが、パワハラについては第三者委員会がどう判断するかだ。

 この問題を受けスポーツ庁の鈴木大地長官は「選手や現場から不都合な点があれば、どんどん意見をあげていけるシステムを考えていく」と語った。不祥事の連鎖にも人ごとのような談話でお茶を濁していたのが、遅まきながら「選手を守ろう」という精神がのぞいた感じだ。

 告発にあたっての宮川選手の苦悩と勇気はいかばかりだったか。競技団体の役員はいくらでも代えはきくし誰がやっても大して変わりはないが、選手はかけがえのない財産だ。一日も早く選手ファーストのシステムを作ってもらいたい。 (今村忠)