2018.9.2 05:00

【甘口辛口】錦織も参戦中! 改装した伝統の全米オープン会場にも注目

【甘口辛口】

錦織も参戦中! 改装した伝統の全米オープン会場にも注目

錦織圭

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 ■9月2日 開催中の全米オープンテニスの会場が、ビーナスとセリーナのウィリアムズ姉妹対決に沸いた。世界で最も人が集まるテニスのイベントであり、2週間で70万人以上が観戦に訪れる。期間中のチケット販売収入だけで1億ドル(約110億円)を超えるという。

 会場のニューヨーク、ビリージーン・キング・ナショナルテニスセンターは、今年で5年かけた改装が終了。2万3771人収容というテニス専用では世界最大の「アーサー・アッシュ・スタジアム」と1万4061人収容の「ルイ・アームストロング・スタジアム」に開閉式屋根がつき、8000人入るグランドスタンドと17番コートが新設された。

 1968年にオープン化し、プロに門戸を開いて50周年。その最初の大会を制したアーサー・アッシュは、黒人男性として初めての四大大会優勝でもあった。知的でスマートなプレーと人柄は誰からも敬愛されたが、引退後の93年、輸血が原因のエイズ感染によって49歳の若さで世を去った。

 ちなみに、2番目に大きいスタジアムにジャズミュージシャンの故ルイ・アームストロングの名が冠されたのは、20世紀を代表するジャズの巨人が地元クイーンズ在住だったためという。そのサッチモ(愛称)がしわがれ声で歌う「この素晴らしき世界」がヒットしたのは67年のことだ。

 あれから50年。ウィリアムズ姉妹30回目の対決にファンは歓声をあげ、拍手を送る。世界へ広く門戸を開き、人種差別と闘ってきた米国の歴史が、スタジアムの名前にも刻まれている。大統領はじめいろいろ問題はあっても、あの国にはずっと、「この素晴らしき世界」と胸を張っていてもらいたいものだ。 (親谷誠司)