2018.9.1 05:00

【甘口辛口】一時危篤の病状にも律儀で真面目なユーモアを見せてくれた樹木希林

【甘口辛口】

一時危篤の病状にも律儀で真面目なユーモアを見せてくれた樹木希林

樹木希林

樹木希林【拡大】

 ■9月1日 律義で真面目でユーモアがあって…。年を取ったらかくありたいと、人に思わせる雰囲気がある。女優の樹木希林、75歳である。2013年に全身がんを告白したが、公開中の映画「万引き家族」にも出演。テレビのバラエティーでも持ち前の毒舌が小気味いい。

 そんな樹木が一時、危篤状態だったことが8月30日、義理の息子で俳優の本木雅弘(52)から明かされ、驚いた。その2週間前の16日、樹木はNHKの番組に電話で生出演をした際、知人宅の外階段で左大腿骨を骨折し、前日の15日に手術したことを明かしていた。その後、まさか命にかかわる容体になっていたとは…。

 本木によると、手術は成功し全治6週間だが、がんの影響で肺が弱っており一時は危篤状態に。今はリハビリも行うなど回復しているそうだが、手術直前には万が一に備え、長年別居中の夫で歌手の内田裕也(78)に「ワイドショーで知ったらかわいそう」と電話を入れたという。いかにも樹木らしい。

 実は、後輩記者も樹木が16日、NHKの番組で骨折と手術を明かした後、事実確認のため電話を入れた。すぐ本人が出て「今ね、治療中なのよ。ごめんね」といつもより、か細い声で答えてくれたという。「すみません」とすぐ電話を切った後輩だが、樹木が一時危篤状態になったと知った際には、さすがに青ざめていた。

 樹木は本木を通じて、29日に描いた自作のイラストを公開。空から垂れた1本の糸(命)をハサミで切られそうな自らの姿を自虐的に描き、「しぶとい困った婆婆です」と書き添えた。孤独でつらい人生の土壇場も笑いに変える。自らを客観視できる大人だからこそ、できるのだろう。(森岡真一郎)