2018.8.28 05:00

【甘口辛口】酷暑に詰め込んだ夏巡業は力士に大ダメージ…名古屋場所と秋場所の日程再考を

【甘口辛口】

酷暑に詰め込んだ夏巡業は力士に大ダメージ…名古屋場所と秋場所の日程再考を

稀勢の里

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 ■8月28日 早いもので大相撲秋場所(9月9日初日、両国国技館)の新番付が27日、発表された。8場所連続休場から進退をかけて臨む横綱稀勢の里や、横綱不在の名古屋場所で初優勝した関脇御嶽海に注目が集まり、今月4日に発売された前売り券は1時間10分で15日分が完売(当日券は各日約350枚)と相変わらずの盛況だ。

 15日間満員御礼はまず間違いなし。相撲協会は笑いが止まらないだろうが、力士にとってはかなりハードな日程ではある。酷暑の名古屋場所を終え1週間休んだ後、7月29日から29日間で26カ所を回った夏巡業を26日に打ち上げたばかり。番付発表で1日休んだだけで秋場所へ向けての稽古が始まる。

 「巡業が強行軍で厳しいのは当たり前。暑い中で鍛えてこそ、本物の強さが身につくと先輩から教わったものだ」とある年配親方は言う。とはいえ審判部から同行した貴乃花親方も熱中症で救急搬送されたほどで、30年前に比べ35度以上の猛暑日が7倍に増えたという今年の暑さは年配親方の現役時代とは全く異質だ。

 巡業は協会が勧進元に興行権を売る「売り興行」で行われ、契約金は700~900万円。最近の相撲人気で開催希望が多く、詰めれば詰めるほど協会の収入は増える。しかし、その日のうちに次の興行地に移動するハネ立ちの連続で、暑さによる力士のダメージは昔とは比べものにならないだろう。

 酷暑はこの夏だけ、とは限らない。もう昔の常識は通じないと考えた方がよさそうだ。名古屋場所の初日を1週早め、秋場所初日を1週遅らせれば巡業日程にゆとりができ、終了後には休養期間もとれる。心身ともに充実した「実りの秋」を迎えさせてはどうか。 (今村忠)