2018.8.27 05:00

【甘口辛口】朝6時スタートも暑そうだったアジア大会男女マラソン 東京五輪が改めて思いやられる

【甘口辛口】

朝6時スタートも暑そうだったアジア大会男女マラソン 東京五輪が改めて思いやられる

 ■8月27日 ジャカルタのアジア大会男女マラソンは現地の朝6時にスタートした。日本との時差は2時間。井上大仁(MHPS)が日本勢男子として32年ぶりに優勝した25日は、日が差して途中から気温30度を超え見るからに暑そうだった。もっと暑い時期の東京五輪のマラソンが改めて思いやられる。

 そんな折、熱中症リスクを考えると「午前7時スタートでも遅い」という調査結果が発表された。中京大の松本孝朗教授(環境生理学)らの研究チームが昨年、今年と同時期の計15日間にわたって「暑さ指数」を計測する装置をコースの約1キロおきに設置し、午前5時から10時まで1分ごとの指数を記録した。

 結果は7時スタートの場合、10キロ以降のほとんどが激しい運動を避ける「厳重警戒」レベルで、浅草周辺や二重橋など場所によって「運動中止」レベルとなった。一方、5時半に繰り上げると一段低い「警戒レベル」でリスクが減少するという。なかなかきめ細かい調査で、説得力があり「やっぱりそうか」と思う。

 アジア大会優勝の井上はすべてのポイントに保冷剤を用意し、ユニホームにひし形の穴を多く開けて通気をよくしたという。団体競技なら交代がきくが、マラソンは一人でリスクを背負うだけに選手は必死だろう。長時間立ったままの観客のリスクも同様で、異常な蒸し暑さに慣れない外国人がバタバタと倒れるような事態になれば、大会の成功も吹っ飛んでしまう。

 マラソンのためのサマータイム導入などは机上の空論にすぎない。今回の調査を「頼みもしないのに…」とかたづけず、各方面の専門家でもう一度スタート時間を真剣に検討するたたき台にすべきではないか。(今村忠)