2018.8.15 05:00

【甘口辛口】富田林署の容疑者逃走、日大アメフット部の反則問題…国民が聞きたいのはトップの生の声

【甘口辛口】

富田林署の容疑者逃走、日大アメフット部の反則問題…国民が聞きたいのはトップの生の声

日大・田中英寿理事長

日大・田中英寿理事長【拡大】

 ■8月15日 73回目の終戦の日。改めて戦火に散った人々のご冥福を祈りたいが、この国の現状には霊魂も安らかに眠ってはいられないかもしれない。範を垂れるべき政治家や、国民の奉仕者であるべき役人たちが平気で嘘をつき責任を取ろうとしない。タガが外れ、上から下まで緩みきった姿に「情けない」と嘆いていることだろう。

 その象徴ともいえる事象が大阪府富田林市の富田林署で起きた容疑者の逃走だ。20代女性に対する強制性交や、強盗傷害など凶悪事件を繰り返し4回目の逮捕となった樋田淳也容疑者(30)が2階にある接見室で弁護士と接見後、面会者と隔てるアクリル板を押し破って逃走した。

 弁護士側の扉は開くとブザーが鳴る装置はあったが、電池を抜いていた。接見中、隣室に待機すべき署員もいず接見終了後、誰もいないのに気づくまで2時間近くかかった。一度でも許されない人為ミスが二重、三重と重なった。かつては確かな組織力と高い検挙率で信頼されていた日本の警察が、ここまでレベルダウンしたかと嘆くばかりだ。

 日大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題を思い出す。対応の遅さ、数々の不手際に批判が渦巻く中、トップの田中英寿理事長が一度も会見を開かずコメントを出しただけで逃げ切った。日大が失った信頼は大きい。同様に今回の事案で国民が聞きたいのは大阪府警トップの生の声による説明だ。

 アクリル板がそんな簡単に押し破れるなら、またどこかで逃走者が出ないとはかぎらない。まして逃走犯は再犯の可能性もある性犯罪者で住民に直接影響を及ぼしている。トップが速やかな説明責任を果たさなければ警察への信頼は薄らぐばかりだろう。(今村忠)