2018.8.13 05:00

【甘口辛口】案の定潔くなかった山根明氏 これ以上山根節に乗っかると問題は本筋とはますます違う方向に…

【甘口辛口】

案の定潔くなかった山根明氏 これ以上山根節に乗っかると問題は本筋とはますます違う方向に…

山根明氏

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 ■8月13日 案の定、潔くはなかった。日本ボクシング連盟の会長と理事を辞任した山根明氏(78)が残る役職の一つ、関西連盟の会長には居座るらしい。8日の辞任発表後、18日に大阪で行われる小中学生の全国大会の打ち合わせに参加したとの報道もある。意気消沈どころか、やる気満々というから恐れ入る。

 一体、このエネルギーの源は何なのか。発売中の『週刊新潮』の独占手記「私の血と骨、全て明かす」を読んでなるほどと思った。終戦後、韓国人の母親と釜山に渡ったが、父親が恋しく密航して捕まり大村収容所に入れられたこともある少年時代や、4回もの結婚歴など謎に包まれていた過去を赤裸々に明かしている。

 思うに底辺の苦労を知り尽くしたことで人心掌握にもたけ、敵を作らずうまく味方に引き入れることで裾野を広げトップに登り詰めたのだろう。スケールこそ違うが、高等小学校卒という学歴ながら苦労の中で相手が欲するものを即座に読み取るなど、人の操り方を身につけた伝説の総理大臣に一脈通じるところもある。

 山根氏は辞任後、自宅前で待つ報道陣に「この暑い中、頑張っているあなた方のためにもしゃべる」と車から降りて対応するシーンもあった。メディアを威圧するのはやめ懐柔する作戦に方向転換したようにも見える。まれにみるキャラクターでテレビのワイドショーなどはまだまだ重宝したいのではないか。

 とはいえ反社会勢力との交際などは論外。告発側が「全ての連盟から退会させ完全追放」を目指すのは当然としても、文科省やスポーツ庁などはどう対応するのか。山根節にこれ以上乗っかると、問題は本筋とはますます違う方向に行ってしまいそうだ。 (今村忠)