2018.8.4 05:00

【甘口辛口】東京医科大が先にやるべきは女子の得点操作ではなく、結婚後も医師を続けられる環境づくり

【甘口辛口】

東京医科大が先にやるべきは女子の得点操作ではなく、結婚後も医師を続けられる環境づくり

 ■8月4日 医師のあるべき姿とは何だろう。患者が病気やけがをしたとき、親身に診察し適切な処置を取れる。人の命を最優先し、臨機応変の対応ができれば、なおいい。いずれにせよ、信頼さえできれば患者は性別を問わないのが普通ではないか。

 ところが、東京医科大は女性の医師養成を後回しにしてきた。入試で女子受験者の得点を一律減点して合格者数を抑え、男子受験者を優遇していたことが発覚。受験生にも公表はせず、こそこそ点数操作を続けてきた。文部科学省の前局長の息子を含め、毎年10人前後の受験生を不正に合格させていた疑惑に続き、開いた口がふさがらない。

 女性医師は結婚や出産を機に離職率が高く、系列病院が人手不足になるのを避けたかったというのだ。それなら、結婚後も医師を続けられる制度や環境を整えるのが先だろう。テレビの情報番組では3日、東京医科大を受けて合格点に達したと思ったのに不合格で医師の道をあきらめた女性や、2年続けて不合格となり2浪中の女性が憤りの声を上げていた。

 彼女たちの人生を曲げたとすれば、責任は重い。文科省の全国医学部の入学者数調べでも、女子は男子より低く今回のケースは氷山の一角との見方もある。公平な入試を切に望みたいが、時あたかも自民党の衆院議員から性認識の配慮を欠く発言が相次ぎ党内からも批判を浴びている。

 性的少数者(LGBT)に対し「生産性がない」として行政支援に疑問があると主張した杉田水脈氏と、同性愛を「趣味みたいなもの」と発言した谷川とむ氏。明らかに不当な女性差別の東京医科大入試関係者とともに、対象となる側の痛みを切実に感じてほしいものだ。(森岡真一郎)