2018.7.31 05:00

【甘口辛口】カネ、審判不正で揺れるアマに対し、プロボクシングから届いた伊藤雅雪の朗報

【甘口辛口】

カネ、審判不正で揺れるアマに対し、プロボクシングから届いた伊藤雅雪の朗報

 ■7月31日 カネや審判の不正で日本連盟が告発されたアマチュアとは対照的に、プロボクシングでは米国から朗報が届いた。WBO世界スーパーフェザー級王座決定戦(28日、米フロリダ州)で世界初挑戦の伊藤雅雪(伴流)がディアス(プエルトリコ)に3-0で判定勝ち。1981年の三原正以来、37年ぶりの米国での王座奪取だった。

 「信じられないことが起きた。人生が変わった」という伊藤。東京・江東区生まれで高校時代はバスケットボール部、駒大進学後にプロデビューした。東洋太平洋同級王者などを経て最近はロサンゼルスを拠点に練習を積み、世界初挑戦で栄冠をつかんだ。

 見事というほかないが、4団体乱立の世界のボクシング界でどの程度の価値があるのか。「WBAはスーパー王者、WBCはダイヤモンド王者など王座を乱発し腐敗も取り沙汰されているが、WBOは最後発ながら運営面の評価は高い。しかも相手は本部があるプエルトリコの選手なのに、しっかりした判定で勝った。快挙だ」と専門家。

 五輪金メダリストの村田諒太、高校時代から怪物と騒がれた井上尚弥ら世界王者の多くはアマ出身だが、伊藤は珍しくアマの経験がない。プロが底辺拡大に開いているU-15の大会に出た選手はアマのジュニア大会に出場させないなど、プロにかたくななまでの拒絶反応を示すアマ側はこの快挙をどう見る。

 ジュニア層育成など各競技に下された評価で、国体のボクシングは2023年から隔年開催に格下げされる。試合の機会が減り、ますます競技力低下につながる。一方でアマを素通りして世界の頂点に立つ選手もいる。組織としてアマは自分で自分の首を絞めているのではないか。(今村忠)