2018.7.26 05:00

【甘口辛口】甲子園に帰ってきた秋田・金足農は全国117の農業高校の代表としても健闘を

【甘口辛口】

甲子園に帰ってきた秋田・金足農は全国117の農業高校の代表としても健闘を

 ■7月26日 懐かしい名前が甲子園に帰ってくる。11年ぶり6度目の勝ち名乗りをあげた秋田の金足農だ。かつて甲子園を席巻した商業、工業などの実業系高校が最近は衰退ぎみで、農業高校も2009年の伊万里農林(佐賀)以来になる。いかにも部活の一環で野球をやっている感じで、土の香りもするこういう校名を聞くとなぜかホッとする。

 とはいえ、金足農には高校日本代表の第1次候補でプロも注目する最速150キロ右腕の吉田輝星(こうせい)投手(3年)がいて、甲子園でも侮れない存在になりそうだ。24日の決勝では昨夏、同じ決勝で敗れた明桜を4安打、11奪三振で完封し雪辱を果たした。

 初出場した1984年は1回戦で広島商を倒したのが快進撃の始まりで、あれよあれよのベスト4進出。準決勝では桑田、清原のKKコンビを擁するPL学園と対戦し七回まで2-1とリードしながら、八回に桑田の逆転2ランを浴びて2-3で涙をのんだ。伝説ともなった名勝負で金足農の名はひと夏で全国区になった。

 全国農業高校長協会によると農業専門の高校は全国で117校と10年前から23校も減った。少子化や大学進学志向の高まりで農業高校は受難の時代。「農業はもうからないし作業服で汗水たらしての実習など論外と、子も親も敬遠する一方で国の食料生産を担おうという気概のある若者も少なくない。甲子園出場が全国の農業高校生の励みになれば」と渡辺勉校長。

 11年前、渡辺校長は教諭で甲子園に同行し雑務にあたった。4月に校長として戻ったばかりで25日にはさっそく教職員会議を開いて応援態勢を話し合った。秋田県48校の代表は、117の農業高校の代表としても期待を担う。 (今村忠)