2018.7.23 05:00

【甘口辛口】“稽古嫌い”と評判の御嶽海 稽古の虫になったらどうなるか楽しみ

【甘口辛口】

“稽古嫌い”と評判の御嶽海 稽古の虫になったらどうなるか楽しみ

表彰式、支度部屋でバンザイする御嶽海=ドルフィンズアリーナ(撮影・林俊志)

表彰式、支度部屋でバンザイする御嶽海=ドルフィンズアリーナ(撮影・林俊志)【拡大】

 ■7月23日 千秋楽はついに最高気温39・5度。命に危険が及ぶ猛暑続きの中、大相撲名古屋場所が終わった。館内の空調器が故障し蒸し風呂の暑さになったり、正面で関取衆の「入り待ち」をするファンが相次いで熱中症で倒れたりする異変も続いた。べったりまとわりつく名古屋の暑さを知る人は「よくあそこで15日間も…」と思ったことだろう。

 力士が一人でも熱中症で倒れたら大騒ぎになっただろうが、みんな厳しく体調管理に努めたようだ。土俵も3横綱が休場してどうなるかと思われたが、「家貧しくして孝子あらわる」のことわざ通り御嶽海が快進撃で連日満員の館内を沸かせ初優勝で締めくくった。

 「御嶽海は稽古しないらしいね」とは親方衆からよく聞く言葉で“稽古嫌い”が代名詞にもなっている。しかし、稽古しない力士がそう簡単に優勝できるものなのか。ある親方は「御嶽海ほど基本に忠実な力士はあまり見ない。突っ張りでも、おっつけでも手が下から出る。白鵬もそうで実はこれが大事なことだ」と分析する。

 上背のある相手の突っ張りには下からハネあげ、防戦を攻撃に変える。おっつけも脇を締め腰を入れて下から押し上げるから効果的。体形も1メートル80と下から入るにはちょうどよく、もろ差しになるとすぐかいなが返る。基本に忠実だからけがもなく大負けもない。優勝も決してフロックではないだろう。

 とはいえ上を目指すには稽古しかない。出羽海部屋の大先輩、元横綱三重ノ海の石山五郎氏(相撲博物館長)は「稽古で力を出し切って本当の力がつく。これを機に目の色を変えて稽古してほしい」と注文した。稽古嫌いが稽古の虫になったらどうなるのか。これは楽しみだ。 (今村忠)