2018.7.14 05:00

【甘口辛口】麻原元死刑囚の遺骨対応、国は四女と弁護士を警護することぐらいできないものか

【甘口辛口】

麻原元死刑囚の遺骨対応、国は四女と弁護士を警護することぐらいできないものか

1990年10月、静岡県富士宮市の教団施設で会見する麻原元死刑囚

1990年10月、静岡県富士宮市の教団施設で会見する麻原元死刑囚【拡大】

 ■7月14日 そういう手があったのかと思わず膝を打った。死刑が執行されたオウム真理教の元教祖、麻原彰晃元死刑囚=執行時(63)、本名・松本智津夫=の遺骨について、四女(29)側が11日、「遺骨を粉にして、太平洋に散骨する」と表明した件である。海への散骨なら遺骨を奪われないし、信者の崇拝対象にもなりにくいだろう。

 しかし、事はそう簡単に進みそうもない。麻原元死刑囚は6日の執行前、四女に遺体を渡すよう伝え、四女も了承。遺体は9日に火葬されたが、四女とは別に三女(35)らも引き取りを求めていることなどから、遺骨は当面、東京拘置所で保管される見通しだ。

 11日に会見した四女の代理人、滝本太郎弁護士は教団の後継団体「アレフ」の信者らが四女を攻撃したり、遺骨を奪還することが想定されるとして国の支援を求めた。小欄の取材にも13日、「国が関与してくれないと、私も四女も危ない」と語気を強めた。

 しかし、法務省幹部は「国ができるのは、本人が要望した人に遺体を引き渡すところまで」として、前例がないことなどを理由に散骨に立ち会う姿勢をみせていない。なんと、お役所然とした姿勢であることか。地下鉄サリン事件などで29人の死者を出し、6500人以上の被害者を出した教祖の散骨である。

 もう二度とテロリスト信者を出さないためにも、国は散骨にかかる船代など20万円以上を出して証人を立て、四女と弁護士を警護することぐらいできないものか。普段は重箱の隅をつつくように国民から税金を取り、年度末に帳尻合わせの道路工事などに使うくせに、肝心のところで使おうとしない。ここは超党派で政治家の支援も期待したい。 (森岡真一郎)