2018.7.9 05:00

【甘口辛口】変化し続ける自然現象 過去のデータ参考にならずとも「想定外」と片付けてしまっては同じことの繰り返し

【甘口辛口】

変化し続ける自然現象 過去のデータ参考にならずとも「想定外」と片付けてしまっては同じことの繰り返し

 ■7月9日 西日本の豪雨災害を伝える7日夜のテレビ画面に地震速報が流れた。まさに「天変地異」。千葉県東方沖が震源地で地震の規模はマグニチュード(M)6・0と推定され、千葉県長南町で震度5弱を記録。千葉県東方沖ではプレート境界の岩盤がゆっくりずれ動く「スロースリップ」現象で地震活動が活発になっているという。

 2011年の東日本大震災のときも宮城県沖で同じ現象が発生しており、千葉県沖の巨大地震の前兆のような不気味さを感じる。東京大都市圏に住む人たちは地震に対しては敏感だが、豪雨による河川の氾濫や土砂災害などは「都会では起こらないだろう」と安易に考えているかもしれない。

 自然の脅威は人知を超えるスピードで迫ってくる。今回の大雨は梅雨前線が日本上空で数日間、ほぼ同じ位置に停滞したことが原因だが、位置がずれて東京で降ったらどうなるか。荒川や多摩川が氾濫し、地下鉄や地下街に水が流れ込み、近郊の住宅造成地では土砂崩れも発生するだろう。大地震も怖いが、こちらも同じぐらい怖い。

 冬になると合併症で死者まで出るほどの猛威をふるうインフルエンザは、毎年型を変えて人間に襲いかかる。同様に自然現象も過去のデータが参考にならなくなるほど刻々と変化し続けているのだろう。だからといって大きな被害が出て「想定外」と片付けてしまっては、同じことの繰り返しだ。

 橋脚の強度を見直したり、山や崖の下など土砂崩れが起きそうな場所に新たに家を建てることを禁じたりすることも必要だろう。地震のような天災は止めようがないが、異常気象は人間が地球を温暖化させた「人災」でもあることを忘れてはならない。 (今村忠)