2018.6.22 05:00

【甘口辛口】大災害の前に大きな力と勇気を持ったスポーツ

【甘口辛口】

大災害の前に大きな力と勇気を持ったスポーツ

 ■6月22日 大災害の前にスポーツは無力か。それを主題に2年前、3月11日付のコラムを書いた。結論は、人の心を動かす力があるから無力ではない。具体例として2011年の競馬のドバイワールドカップを挙げた。

 東日本大震災の2日前にUAEドバイへ旅立った陣営は、母国が未曾有の大災害に襲われ不安になりながらも、日本のために心を一つにした。全員が日の丸とHOPE(希望)の文字を縫い込んだポロシャツを着て、大震災から15日後に行われた決戦に臨んだ。結果は日本馬(ヴィクトワールピサ、トランセンド)による1、2着独占。未明に届いた快挙に競馬ファンは感動し、大きな勇気をもらった。

 18日朝、最大震度6弱を記録した大阪北部地震が起きた。19日の総務省消防庁発表によると死者5人、負傷者408人。19日から翌日にかけて西日本を中心に大雨が降る予報もあり、不安な一夜を過ごした被災者も多かったはずだ。その日の深夜、ロシアから歓喜を届けたのがサッカーW杯の日本代表。家族、親族らが地震の影響を受け動揺した選手もいたというが、それを見せず開幕初戦に臨み格上のコロンビアに勝った。

 欧州のスポーツ専門チャンネルは、試合2日前の大地震に触れ「西野朗監督のチームは勇気づける結果を見せた」と配信。小紙を含む国内の新聞も同様の記事を掲載した。

 ドバイで騎手がつけた喪章は袖になくても、選手は被災地への思いを胸に試合に臨んだはず。高視聴率でも分かる通り、サッカーW杯は競馬とは比べものにならないほどの影響力を持つ。災害の前にスポーツは無力ではない。24日は1次リーグ2戦目のセネガル戦。朗報が国民の力になる。 (鈴木学)