2018.6.19 05:00

【甘口辛口】バスケ留学生の審判殴打問題…高体連は“丸投げ”せずよりよいシステム作りに尽力を

【甘口辛口】

バスケ留学生の審判殴打問題…高体連は“丸投げ”せずよりよいシステム作りに尽力を

 ■6月19日 右ストレート一発で審判があおむけに倒れた。殴ったのは身長2メートル近い延岡学園(宮崎)の留学生選手。審判は救急搬送され口を10針縫ったが、打ち所が悪かったらそれでは済まなかったかもしれない。バスケットボールの全九州高校大会で17日に起きた衝撃的なできごとはSNSを通じてアッという間に拡散した。

 「高体連は昭和23年に発足し38年から総合大会を開いているが、こういう事案は例がない。きわめて遺憾」と全国高体連の奈良隆専務理事。高体連には「ルールとマナーを守り…」といった競技者規定はあっても「審判を殴ったら…」などの罰則は当然ない。まさに前代未聞で、どう対応するか頭が痛いだろう。

 バスケットや駅伝、ラグビーなど高校スポーツでは多くの留学生が活躍している。特にバスケットでは留学生の高度な技術は大きな力になる。屈指の強豪でもある延岡学園によると暴行した15歳の留学生は今年2月にコンゴから来日したが、先月末からホームシックにかかり「国に帰りたい」ともらしていたという。

 留学生がいい悪いは別にして大事なのは学校が一人の人間としてみるのか、単に戦力としてみるかだろう。バスケットで、かつてある高校が5歳も年齢を偽って留学生を出場させたのが後者の典型だ。「日本のバスケットを通じて立派な国際人を育てる」という理念があるならともかく、今回も学校側の勝利への過度な期待が遠因と思われても仕方ない。

 高体連は宮崎県高体連や協会の報告を待って対応する。留学生の受け入れはそれぞれの高校の方針とはいえ、こうした問題が起きた以上、高体連も“丸投げ”せず、よりよいシステム作りに尽力してほしい。 (今村忠)