2018.6.3 05:00

【甘口辛口】錦織、「新4銃士」シモンを撃破 完全アウェーも観客からはリスペクトが感じられた

【甘口辛口】

錦織、「新4銃士」シモンを撃破 完全アウェーも観客からはリスペクトが感じられた

男子シングルス3回戦でジル・シモンに勝利した錦織圭=パリ(共同)

男子シングルス3回戦でジル・シモンに勝利した錦織圭=パリ(共同)【拡大】

 ■6月3日 1回戦からジャンビエ、ペール、シモンと地元の仏選手を3連破し、錦織圭が全仏オープンテニスで4年連続16強入りした。いわゆる「完全アウェー」での勝利だが、観客からは元世界4位に対するリスペクトも随所に感じられ、日本人として誇らしかった。

 3回戦で破ったシモンは世界ランク65位だが最高は6位。昨年の国別対抗戦デ杯王者の仏男子は充実期で、シモンとツォンガ、モンフィス、ガスケを「新4銃士」と呼ぶ。1927年に米国を破ってデ杯初優勝、そこから6連覇したボロトラ、ブルニョン、コシェ、ラコステの「4銃士」が元祖だ。

 その際、翌28年のデ杯防衛戦を戦う場所として国をあげて建設したのが全仏会場の「スタッド・ローランギャロス」。もともとの土地は粘土質で水はけが悪く、当時一般的だった芝コートの代わりに、砕いたレンガ(アンツーカー)を敷き詰めた赤土のコートが採用された。

 ちなみにローラン・ギャロスとは当時の国民的英雄で、仏-チュニジア間の地中海横断飛行に初成功したパイロットの名前。第一次大戦では戦闘機のプロペラと同調する機銃を開発して独軍機を多数撃墜。その後、自身も独領内で撃墜されて機体とともに捕らわれ、3年後に脱走して空軍に復帰するが、その間に敵に機銃を研究・改良され、再び撃墜されて命を落とす。

 フランスという国の歴史に彩られた伝統のタイトル、全仏の男子単優勝のトロフィーは「ムスクテール(4銃士)杯」という。仏選手でさえ、91年のノアを最後に手にできていない。ここへきて赤土との相性の良さが際立つ錦織が、どこまで近づけるのか。腰を据えて見届けたい。 (親谷誠司)