2018.5.30 05:00

【甘口辛口】照ノ富士は「元大関」の肩書をもう一度見つめ直すべきでは

【甘口辛口】

照ノ富士は「元大関」の肩書をもう一度見つめ直すべきでは

照ノ富士

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 ■5月30日 30日の日本相撲協会臨時理事会で、栃ノ心の大関昇進が承認され使者を迎えることになる。横綱を狙える力強い大関の誕生だが、3年前の夏場所後にも、やはり「綱もすぐだろう」と大きな期待をかけられた23歳の若い新大関が使者を迎えている。1メートル93、178キロという恵まれた体で右四つ左上手の本格派だった。

 しかし、その照ノ富士は膝の故障などけがに泣き、大関を14場所で明け渡したあと十両まで番付を落とした。夏場所も相撲にならず東8枚目で0勝9敗6休。30日の名古屋場所番付編成会議で幕下落ちは免れない。江戸時代の看板大関を除けば、大関経験者が幕下に落ちた例はない。

 大関はかつて力士の最高位とされ、さまざまな特権が与えられる。昇進に理事会承認が必要なのもそのためだが、夏場所は高安が全休、豪栄道も途中休場して大関不在。横綱とともに特別な地位としてリスペクトされるはずが最近は重みが感じられない。その上、経験者が幕下の土俵に上がれば軽くなる一方だろう。

 千秋楽、ファンに「やめるな」と声をかけられた照ノ富士は「誰もやめるって言ってないよ」と答えた。元大関の藤島審判副部長(元武双山)はこう語る。「伝達式で『大関の地位を汚さぬように』と答え、それに背かぬよういままで大関になった人たちはやってきた。やめる、やめないは個人の問題でも大関は個人的な地位ではないことを考える必要はある」。

 栃ノ心も右膝のけがで小結から幕下転落の悲哀を味わったが、照ノ富士は両膝故障に加え糖尿病というハンディを負っている。番付は落ちても付いて回る元大関の肩書を、もう一度見つめ直すべきかもしれない。 (今村忠)