2018.5.29 05:00

【甘口辛口】関学大と日大の伝統の一戦は、春だけでなく秋でも実現は困難に

【甘口辛口】

関学大と日大の伝統の一戦は、春だけでなく秋でも実現は困難に

日大アメフット部の宮川泰介選手

日大アメフット部の宮川泰介選手【拡大】

 ■5月29日 51回も続いたアメリカンフットボールの関学大-日大の定期戦が当面、中止になった。春の定期戦とはいえ東西のライバル同士がシーズンを前に相手の力を肌で知る貴重な試合で、だからこそ51回も続いてきたのだろう。しかし、関学大は悪質タックル問題で不誠実な対応を続ける日大との信頼関係が取り戻せるまで中止とした。

 これで思い出したのは日大・宮川泰介選手の会見での一言だった。「定期戦はなくなっていい。相手のQBがけがして秋に出られなくなったら、こっちの得だろう」と井上コーチ(辞任)に言われたという。包み隠さず真実を話した宮川選手の勇気には感心したが、この一言だけは首をひねった。

 秋とは何をさすのか。秋も定期戦があるのかと思い違いした人もいたろう。むろんリーグ戦であたるはずはない。とすれば学生王座を争う12月の甲子園ボウルのことかもしれないが、半年以上も先。そこに出られなくするには相当なダメージを負わせる必要がある。宮川選手は絶対服従で追い詰められ危険な反則行為に及んだのだろうか。

 甲子園ボウルへは関東学生リーグTOP8での優勝が大前提になる。日大は昨年、東日本代表決定戦を経て3年ぶりに進出し関学大に勝って27年ぶりに大学王座に就いた。今年も相手は関学大と照準を合わせたにしても、深謀遠慮などというきれいごとではすまされない。

 幸い負傷した関学大の奥野耕世選手は27日の関大戦で戦列復帰した。「正々堂々ルール内で勝負したい」との談話は心に響く。しかし、日大は下部からの再出発など関東学連の厳しい処分は免れそうにない。伝統の一戦は「春」だけでなく「秋」も実現への道のりは険しい。 (今村忠)