2018.3.14 05:00

【甘口辛口】“消化試合”のような印象に…パラリンピックと五輪の開催順は逆ではないだろうか

【甘口辛口】

“消化試合”のような印象に…パラリンピックと五輪の開催順は逆ではないだろうか

 ■3月14日 「緑夢」と書いて「ぐりむ」。個性抜群の名前からしてインパクト十分だ。平昌パラリンピックのスノーボードクロス男子下肢障害(12日)で銅メダルの成田緑夢。長男の童夢、長女の今井メロがともにスノーボードの元五輪代表。「成田3きょうだい」の末っ子が緑夢で、兄姉が届かなかったメダルを手にした。

 フリースタイルスキーで目指した2014年ソチ五輪の前年、トランポリンの練習中に左膝から下がまひする障害を負った。五輪は断念したが、「自分がスポーツをすることで誰かを励ませれば」と、水泳やトライアスロンなどパラリンピック競技にも挑戦。昨年の日本パラ陸上走り幅跳びでは2位に入った。

 障害を抱え困難を乗り越えながらパラリンピックに出場する選手たちは、それぞれが成田のようにドラマの主人公でもある。雪上や氷上で躍動する姿に「人間はここまで頑張れるんだ」と心を打たれる。残念なのは、テレビでは朝から晩まで賑々しく中継していた五輪とはうって代わり、NHK以外はほとんど取り上げないことだ。

 思うに五輪とパラリンピックは順番が逆ではないのか。聖火が消え、熱戦の記憶も薄れた五輪の後では、プロ野球でいえば優勝が決まった後の“消化試合”のような印象はぬぐえない。五輪の前にもってきて“前半戦”と位置づければ、メディアも注目し人々の関心がもっと集まるだろう。

 成田はいっている。「もともと五輪とパラリンピックの価値はイーブン。パラのメディア露出が増えれば、一般の人の考え方もイーブンになると思う」。2年後の東京は既に日程が決まっているが、4年後の北京冬季大会あたりでぜひ検討してもらいたい。 (今村忠)