2018.2.11 05:00

【甘口辛口】72年札幌に走った衝撃!アルプスの少女・ナディヒ、メダルか失格かの思い切りの良い滑り

【甘口辛口】

72年札幌に走った衝撃!アルプスの少女・ナディヒ、メダルか失格かの思い切りの良い滑り

 ■2月11日 1972年札幌大会が、リアルタイムで小欄がテレビ画面にかじりついた初めての五輪だった。大会3日目のアルペン女子滑降で、その衝撃はやってくる。新聞や学習雑誌で知っていた大本命プレル(オーストリア)を抑えて、17歳の高校生ナディヒ(スイス)が金メダルをさらった。

 古いサンスポを引っ張り出すと「何たって17歳」「アルプスの少女、滑降に優勝」の大見出しが躍る。元ネタは当時人気だった岡崎友紀主演のドラマ「なんたって18歳!」と、スイスの作家シュピリの名作童話「アルプスの少女」に違いない。ちなみに人気アニメ「アルプスの少女ハイジ」の放送は2年後の74年だ。

 スイス東部の山村フルームス出身で、金髪に赤いほっぺ。このシーズンに初めてW杯シリーズの第1シードに上がった伏兵が1位に立ち、動揺したのか直後にスタートした女王プレルはわずかに遅れ2位。国際大会で初めて勝った少女は、「こんなに大勢の人に囲まれていろいろ聞かれるのなら、2位が良かったわ」と言った。

 大会4日目はスキージャンプ70メートル級(現ノーマルヒル)で笠谷、金野、青地が金銀銅を独占し、盛り上がりは頂点に。5日目はフィギュアスケート女子で銀盤の妖精リン(米国)が尻もちをつき、笑顔の銅メダル。ナディヒが吹雪の大回転で再びプレルを破り、アルペン2冠に輝くのは6日目のことだ。

 3種目めの回転は旗門不通過で失格。3冠の夢は消える。五輪通算3大会計8レースで金2、銅1、失格4。メダルか、失格か。その思い切りの良さは、五輪で勝つのはこういう人なのだろうと思わせる。さあ、平昌ではどんな衝撃に会えるだろう。 (親谷誠司)