2018.1.4 05:00

【甘口辛口】貴親方を処断した面々は「義務」を果たしていたのか 今年の相撲界に課せられたテーマ

【甘口辛口】

貴親方を処断した面々は「義務」を果たしていたのか 今年の相撲界に課せられたテーマ

貴乃花親方

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 ■1月4日 のどに小骨が刺さったままのような釈然としない状態で大相撲は新年を迎えた。年末の理事会で役員待遇委員への2階級降格が決議された貴乃花親方(元横綱)は、4日の評議員会で正式に処分が決まる。巡業中に起きた暴行事件を報告しなかったことで、八角理事長(元横綱北勝海)は「理事の忠実義務に著しく反する」と処断した。

 一般社会に照らし合わせれば妥当な処分だが、そういう協会は「義務」をきちんと果たしているのか。スポーツ庁の鈴木長官には問題を11月上旬に把握しながら発覚まで実質的な調査を実施しなかった「初動の遅れ」を指摘されるなど、危機管理面での「義務」は果たされていない。

 貴乃花、伊勢ケ浜両親方(元横綱旭富士)は2階級降格、理事長は3カ月分の報酬返上となった。しかし、危機管理部長として事態を長引かせた鏡山理事(元関脇多賀竜)は何の処分も受けなかった。兼任する生活指導部長としても、日頃から力士の生活面に注意を行き届かせる「義務」を果たしていたのか。

 九州場所では白鵬が自ら物言いをつけた揚げ句、礼もせずに引き揚げた。礼に始まり礼に終わる相撲の精神に反し力士としての「義務」を無視した。負けると礼をしない力士は他にもいる。暴行事件は偶発的ではなく、こうした見過ごされがちな義務違反が積もり積もって起こるべくして起こったといえないか。

 4年前の公益財団法人移行の際には「二度と不祥事を起こさない」と約束したはずなのに、その「義務」も果たせなかった。「義務」こそ今年の相撲界に課せられたテーマだ。協会も力士も、それぞれの「義務」を果たすことで失った信頼回復に努めてもらいたい。 (今村忠)