2017.6.6 05:00

【甘口辛口】「先細り必至」と危機感抱くプロ野球界に早実・清宮の待望論は日増しに高まる

【甘口辛口】

「先細り必至」と危機感抱くプロ野球界に早実・清宮の待望論は日増しに高まる

■6月6日

 早朝5時に2000人ものファンで行列ができるスポーツが、いまの日本でほかにあるだろうか。早実・清宮幸太郎のホームランを見るために、愛知・小牧市民球場は徹夜組を含めおよそ1万人の観客でうまったという。期待に応えて、最後の打席に右中間場外に記念すべき100号を放ったというから驚きは倍加だ。

 100本の内、甲子園大会、神宮大会、東京都大会など公式戦では23本。残りは練習試合で試合数も球場の広さも高校によって違う。「公式戦と同じ扱いは釈然としない」との声もあるが、何か不祥事を起こすと高野連が「禁止」を申し渡す「対外試合」というくくりで見れば、それはそれで価値がある。

 2012年夏、米国での世界リトルリーグ選手権では94メートルの大会史上最長ホームランを放ち、辛口の米国メディアも「すごいバッター。ベーブ・ルースの再来」と驚いた。当時13歳の少年が「怪童」にありがちな、ただの早熟でいつの間にか消えていくのでなく、ここまで順調に育ったことは高く評価できる。

 巨人・長嶋茂雄終身名誉監督をして「今の選手の中ではナンバーワンバッター。できれば早くプロ野球に入ってほしい」と言わしめた。今はお客も入り景気はいいが、少年野球人口が年々減少し「このままでは先細り必至」と危機感を抱くプロ野球関係者も多いと聞く。そんな背景もあってスーパースター候補の清宮待望論は日増しに高まるだろう。

 その前に早実が夏の甲子園に出場できるかどうかも、プロか大学かの進路に影響しそうだ。招待試合が続いたことで西東京大会に向けた調整はうまくいくのか。ホームランだけでなく主将としての統率力にも注目したい。 (今村忠)