2015.11.1 05:00

【甘口辛口】視聴率20%超えのNHK連ドラ「あさが来た」 好調要因は脚本の完成度の高さにあり

【甘口辛口】

視聴率20%超えのNHK連ドラ「あさが来た」 好調要因は脚本の完成度の高さにあり

■11月1日

 脇役が光るドラマは面白い。NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」もそうだ。背中で芝居のできる林与一、目の動きで思いやりを出せる近藤正臣、ひねくれた感情表現の豊かな萬田久子…。どの登場人物にも、リアリティーがあふれる。

 先月28日の初回放送から約1カ月。ビデオリサーチ関東地区調べによると、視聴率の週間平均は4週連続で20%を超え、5週連続も確実だ。好調の要因について、佐野元彦・制作統括は小欄の取材に大森美香さんの手がける脚本の完成度の高さを挙げ、「登場人物すべてのキャラクターが、ていねいに描かれているんです」と説明した。

 その上で、佐野氏は「俳優の皆さんが自分なりに掘り下げて、役を生きている。だからこそ、物語の展開も多くの視聴者に分かりやすいのでしょう」という。ヒロインのモデルとなったのは幕末に生まれ、日本初の女子大設立にも尽力した関西の実業家、広岡浅子さん。ペンネームは七転び八起きの上を行く九転十起生だったという。

 「女性の柔軟な感性は、単なる労働力ではなく社会を変える力がある。それをテーマに描き続けたい」と佐野氏。波瑠の演じるヒロイン、あさはすぐ落ち込むのに、いざとなると度胸満点の発言と行動力で周囲を引っ張る。その前向きな姿勢はドラマや映画のオーディションで200近く落ちても、めげなかった波瑠自身と重なる。

 加えて、朝ドラの今と歴史を網羅した読本「朝ドラの55年」(NHK出版)を編集した一井久司氏は「東京出身の波瑠さんが猛勉強して身につけつつある関西弁が自然でいい」と指摘する。小欄も毎朝、思わず応援したくなるこの感覚は「あまちゃん」以来かもしれない。 (森岡真一郎)

(紙面から)