2015.9.16 05:00

【甘口辛口】久々の日本人力士優勝は… 白鵬休場で力士らに千載一遇のチャンス到来

【甘口辛口】

久々の日本人力士優勝は… 白鵬休場で力士らに千載一遇のチャンス到来

■9月16日

 「満月は欠けるときがくる」。若貴兄弟の活躍で空前の大相撲人気に沸いた平成の初め、当時の境川理事長(元横綱佐田の山)は浮かれる相撲協会員をそう戒めた。その言葉通り数々の不祥事もあって満月は半月から三日月ほどに欠けてしまったが、昨今の人気は目を見張るものがあり、秋場所も初日から札止めが続いている。

 満月への復元に大きく貢献したのは横綱在位48場所を皆勤し、うち15場所を一人横綱として奮闘した白鵬であることに異論はないだろう。その白鵬が在位49場所目の今場所、初日からいいところなく連敗して3日目からついに休場した。「左大腿四頭筋腱炎」で4週間の加療が必要という。

 「どこも悪くなくてあの相撲では問題で、それなら納得だろう」とサンケイスポーツ評論家、藤島審判副部長(元大関武双山)。大腿四頭筋はひざ関節を伸ばす動きに関わり力士にとっては重要な部分。藤島親方は「腰を割った相撲でひざに負担がきたのかもしれない。しかし、四つの技術が高く負担のかからないような相撲も取れるはず」と話す。

 優勝35回。出ることも勝つことも当たり前で抜群の安定性を誇った横綱の休場は他の力士たちにとって、まさに千載一遇のチャンス到来でもある。一人横綱になった鶴竜はじめ照ノ富士、稀勢の里ら大関陣、さらに元気な栃煌山、妙義龍両関脇までチャンスはみんなにきた。

 審判長として土俵下に座る藤島親方は「一番一番お客さんの沸き方がすごい。顔としこ名も一致している」と本物の人気を実感している。優勝争いも盛り上がるだろう。千秋楽の27日は「中秋の名月」。願わくは、久々の日本人力士優勝という“うま酒”で月を愛でたいものだ。 (今村忠)

(紙面から)