2015.6.17 05:00

【甘口辛口】室伏の日本選手権欠場を「もったいない」と思うのは凡人の証拠か

■6月17日

 「もったいない」と思うのは凡人の証拠か。陸上男子ハンマー投げの室伏広治(40)が、大会史上最長の20連覇中だった日本選手権(26日開幕)を欠場するという。ハンマー投げに限らず、どの種目でも2度と破れそうにない大記録が途切れることになった。同時に8月の世界選手権(北京)の代表入りも消滅した。

 1992年に初出場し、95年の初制覇から積み上げてきた優勝。理由はけがでも体調不良でもないというだけに「なぜ」と首をひねるが、室伏は陸連を通じ、こうコメントしている。「いつまでも自分が出場し続けることによって後輩が育たないとも感じています。世界で戦える、若い選手が育つことを望んでいます」。

 5月には12歳下の一般女性と結婚。2020年東京五輪組織委員会理事としては、競技運営面で国内外の競技団体との調整役となるスポーツディレクターを務めている。海外出張も増え、競技一本に打ち込める環境ではなくなってきたことも、後進に道を譲った要因とみられる。

 ではこのまま引退か、というとそうでもないらしい。「いまも時間があればうちのグラウンドに来て、若手を指導しながら自分も練習している」と話すのは日大陸上部の小山裕三監督。それも昨季のベスト73メートル93近くまで投げるという。「競り合う相手はまだいない。日本選手権に出れば21連覇は間違いないのに…」と小山監督。

 来年のリオ五輪について室伏は「年が明けてから示したい」。禅問答のように真意を測りにくいのが室伏の談話で、五輪にも含みを残しているようだ。体力、気力が残っているなら五輪でもう一度金メダリストの雄姿を見たい、と思うのも凡人の証拠か。 (今村忠)

(紙面から)