2015.5.26 05:00

【甘口辛口】九重親方の還暦土俵入り、現役時代をほうふつさせる雲龍型が期待できそう

■5月26日

 元横綱が赤い綱を締め長寿を祝って行う還暦土俵入りは、第22代の太刀山が最初だ。昔の横綱は健康にあまり気を使わなかったのか比較的短命で、60歳の還暦を迎えた人は少なかった。昭和12年に上野精養軒で還暦土俵入りを行った太刀山は、引退後親方になって途中で退職。市井の人となり節食を心がけていたという。

 最近の元横綱たちは適度に運動し、食生活にも気を配り当たり前に還暦を迎える時代になった。2年前の6月には、北の湖理事長が国技館で還暦土俵入りを行っている。今月31日には元千代の富士の九重親方が、太刀持ち白鵬、露払い日馬富士両横綱を従えて、史上10人目の土俵入りを国技館で披露する。

 九重親方は翌6月1日が60歳の誕生日。「自分もいよいよ還暦という感じ。みすぼらしい体でお恥ずかしいが…」というが、トレーニングジムで鍛えているだけに116キロという筋肉質の体は127キロの現役時代とさほど変わらず、外見も若々しい。「周りは昔のような四股を、と期待しているけど足が上がるかな」。

 過去の還暦土俵入りでは大鵬の露払い、北の富士、北の湖の太刀持ちを務めている。4度目が自身の土俵入りと経験豊富なだけに「自分なりに遊び心を加えてみた」という。太刀持ちが持つ太刀のふくさを紫でなく赤に、赤い綱に下げる御幣も白でなく赤に、パーティーで着る紋付きの羽織紐も赤にするという。

 15日間満員御礼が出て、大盛況のうちに終わった夏場所の余韻が残る国技館。「力士たちがいい相撲を見せてくれた直後だけに、身が引き締まる。なんとか間違えないよう無事に終えたい」と親方。現役時代をほうふつさせる雲竜型が期待できそうだ。 (今村忠)

(紙面から)