2015.5.14 05:00

【甘口辛口】浅田が復帰したらフィギュア本来の女性らしい優雅な演技を見せてもらいたい

■5月14日

 進退について揺れる心境を「ハーフ、ハーフ」と表現していたフィギュアスケートの浅田真央が、現役続行を視野に練習を始めたという。3度目の優勝を遂げた昨年3月の世界選手権後、心身の疲労を理由に休養を表明し、年末年始のアイスショーでは滑ったものの、大会には出場していなかった。

 浅田のいない女子では宮原知子、本郷理華らの若手が世界で活躍したものの、寂しさはぬぐえなかった。出てきただけでリンクをパッと明るくし、時には重圧感で見ている方まで胸が締めつけられる思いがした浅田の存在が、日本人の心の中でいかに大きかったかを改めて知った1年だった。

 世界の女子が、ロシア勢を中心にどんどん低年齢化していく中で24歳はベテランの部類に入る上、1年のブランク。本格復帰への道のりは厳しいが、浅田の“やる気”を物語るのがスケート靴のブレードと呼ばれる金属の部分。いままでは英国製だったが、新たに地元名古屋市で自動車や電子機器の部品を作っている山一ハガネに特注した。

 従来は靴の底に取り付けた台座と溶接でつなげていたのを、外国がマネできない“モノ作り”の特殊技術で一体成形にした。溶接では衝撃で着氷の際に刃が曲がるなどの弱点もあった。値段は約30万円。「男子の小塚崇彦さんの注文で昨年初めて作って、女子はもちろん浅田さんが初めて。ぜひ世界の舞台で使ってほしい」と同社の担当者は話す。

 軽業のように、クルクルと回ってなんぼの競技になりつつあるフィギュア。浅田が復帰したらスケーティングやスピンの高い技術と音楽にのった豊かな表現力で、本来の女性らしい優雅な演技を見せてもらいたいものだ。 (今村忠)

(紙面から)