2015.3.3 05:00

【甘口辛口】何のためのペースメーカーなのか、びわ湖毎日マラソンには苦笑した

■3月3日

 一体、何のためのペースメーカーなのか。氷雨の中で行われた1日の「びわ湖毎日マラソン」には苦笑してしまった。ケニアから来た2人のペースメーカーの1人、キムタイが折り返し点で、そのまま直進した。あわてて引き返しなんとか先頭に復帰したものの、ノルマの30キロ手前で力尽き姿が見えなくなった。

 30キロ過ぎても、やめずにトップを走り続けたペースメーカーは見たことがあるが、先頭集団から脱落したのは前代未聞だ。1キロ3分の設定も最初の5キロが15分半で、15~20キロがまた15分半と“乱高下”。4位になった前田(九電工)が途中で「極端に上げ下げしないで」とクレームをつけたほどだ。

 ケニア人にとって氷雨は想定外かもしれないが、言い訳にはならない。契約した以上、どんな悪条件でも正確に時計を刻むのが仕事。だからこそ世界記録を目指す海外の高速レースでは100万円単位のギャラが出るという。今回は、かりに1キロ1万円としても30万円だが、責任を果たせず大幅減額されても文句はいえない。

 お粗末なペースメーカーにかき回された末、日本勢では前田の4位(2時間11分46秒)が最高というのも情けない。悪条件は差し引いても「2時間10分を切らないと話にならない」という本人の話がすべて。先月22日の東京マラソンでは今井(トヨタ自動車九州)が2時間7分台で走り一筋の光明が差したが、元のもくあみだ。

 そもそも五輪や世界選手権では付かないペースメーカーが、世界選手権の代表選考を兼ねた今回のようなレースに必要なのか。どんなレース展開にも対応できる骨太の選手を育てるためにも、これを機に改めて起用を考えるべきではないか。 (今村忠)

(紙面から)