2015.2.24 05:00

【甘口辛口】“民から官”に託されたラグビー聖地の今後に注目したい

■2月24日

 「近鉄花園ラグビー場」を会場名とする公式戦が、22日の日本選手権準決勝2試合で最後になった。ラグビー場を所有する近畿日本鉄道が東大阪市に譲渡するため4月からは「近鉄」の名が外れる。2019年日本W杯の開催地を目指す東大阪市と、芝生育成など年間1億円を超える赤字を抱える近鉄の意向が合致しての譲渡という。

 1929年、競馬場跡地に日本初のラグビー専用競技場として開設された花園が新たな一歩を踏み出すわけだ。「高校、大学のときからプレーし近鉄時代はホームグラウンドとして育ててもらっただけに、近鉄の名が取れるのはやはり寂しい」と、坂田好弘氏(関西協会会長)は感慨深げに話す。

 3月2日には10~12というW杯開催地が発表される。立候補している自治体は15で、このうちラグビー専用競技場は熊谷(埼玉県)と花園だけ。近鉄が「ラグビーのまち」として地域活性化にも取り組んできた花園はほぼ当確とみられ、東大阪市もその衣鉢を継いで「花園」の名称や敷地は当然そのまま残すという。

 ただ、開催に必要な電光掲示板や夜間照明がなく今後整備が必要となる。収容人員も公称3万人だが、正味は2万5000人ほどだ。「最低1万5000人収容」というW杯開催条件はクリアしているものの、日本や強豪国が絡んだ大きなカードを招くには寂しく、仮設を含めて改修も検討されているという。

 「W杯はぜひ開催してほしいが、われわれとしてはW杯後も大事。日本ラグビーの将来のために、数少ない専用競技場としてW杯後もいい形で残していただけるよう市にお願いしたい」と坂田氏。“民から官”に託された聖地の今後に注目したい。 (今村忠)

(紙面から)