2015.2.23 05:00

【甘口辛口】骨抜きにされたJOCは、IOCとのつなぎ役でしかなくなってしまうのでは

■2月23日

 スポーツ庁の設置法案が先週末の閣議で決まり、10月にも発足するという。文科省の外局として設置されるが、独立した機関になることで選手強化が「国策」として推進されることになる。初代長官には柔道の山下泰裕氏の名も取り沙汰されており、2020年東京五輪に向けての景気付けにはもってこいだろう。

 2015年度のスポーツ関連予算も前年度比34億円増で過去最高の290億円。「金メダル30個」という東京五輪の大目標のためには金に糸目はつけないようだ。庁創設でさらに強化費などの予算増が期待できると、スポーツ界からは早くも歓迎の声が上がっているという。

 各競技団体にとっては国からの強化費をどれだけもらえるかが最大の関心事。これまで日本オリンピック委員会(JOC)が配分していたが、発足後はスポーツ庁が金を握る。競技団体は一斉にそちらを向いてしまい、骨抜きにされたJOCは国際オリンピック委員会(IOC)とのつなぎ役でしかなくなってしまうのではないか。

 最近は競技団体の強化費の不正流用などが明るみに出てJOCの監督責任も問われている。「金の管理は任せておけぬ」と配分の権限を取り上げられるのも仕方ないかもしれないが、机上で計算する役人の配分では血が通わない。やはり競技に精通し、長年にわたって各団体とノウハウを積み上げてきたJOCが責任をもってやるべきことではないのか。

 元アスリートなどの民間人長官は国民向けのアピールになっても、所詮は飾り物。金のあるところには利権が生まれ甘い汁目当てに人も集まってくるだろう。それも東京五輪まで…。後は有名無実化しないか、いまから気がかりだ。 (今村忠)

(紙面から)