2014.11.20 05:00

【甘口辛口】会長が代わると、ころころ方針が変わる 五輪の崇高な理念とは

■11月20日

 野球とソフトボールが2020年東京五輪で復活する可能性が高まったという。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が進める中長期改革「五輪アジェンダ2020」の40項目の草案が発表され、28に限られている夏季五輪競技枠を撤廃し、開催都市が希望する競技を提案できる項目が盛り込まれたからだ。

 組織のトップに立つと、改革の名のもとにまずは前任者が敷いた路線を否定してかかるケースは多いが、昨年9月に就任したバッハ会長もそうだった。「28という上限は確たる理由などない。形式的な数字だ」と、ロゲ前会長の縮小・節約路線を真っ向から打ち消した。

 ロゲ前会長は、拝金主義者といわれて五輪の商業化、肥大化に拍車をかけた前任のサマランチ元会長の路線を否定した。今回は立候補都市の撤退が相次ぐ冬季五輪では国外の都市との共催を認めることまで言及している。会長が代わるごとに、ころころ方針も変わり、五輪の崇高な理念とやらは一体どうなっているのか、と首をひねってしまう。

 もし東京で野球が復活し、プロのスター軍団が出場すれば人気沸騰は間違いない。野球に限らず開催都市が希望する競技なら、スポンサーを集めやすく放映権料もがっちり取れる。肥大化抑制のため夏季は310種目まで、選手数約1万5000人で抑えるというが、「結局はIOCの金もうけ。商業主義に逆戻りするのでは」という関係者の声も聞かれた。

 こうした提案は来月、モナコで開くIOC臨時総会で討議され最終決定する。IOCが潤うことなら異を唱える委員はいないはずだが、IOCのためになっても五輪にとって良いことかどうかは別問題だろう。 (今村忠)

(紙面から)