2014.11.17 05:00

【甘口辛口】石原氏に「出馬願」次世代の党の若手議員は自分の保身しか考えてない

■11月17日

 「老兵は死なず、消えていくのみ」。年内の総選挙に向け解散風が日ごとに強まっていく中、次世代の党の石原慎太郎最高顧問が当選9回目の今期限りでの引退をほのめかしたという。82歳の高齢で昨年2月には軽い脳梗塞を患い入院した。「トシもいっている。体力的にきつい」と周囲にもらしているそうだ。

 政治家の出処進退は自らが決めるもので、引き際こそ政治家の本質が表れるといわれる。環境庁(当時)長官、運輸大臣で手腕をふるい、4回当選した東京都知事としてもさまざまな実績を残した。功成り名遂げた「太陽の季節」も終わり、惜しまれながら西に沈むといったところだろう。

 ところが、次世代の党では当選1回の若手議員から連名で石原氏に「出馬願」が出されたという。「われわれは石原さんに命を預けてついてきた」という議員もいるとか。党名とは裏腹で「82歳の人にか」と突っ込みたくなるような言葉だ。比例でも石原氏が出馬すれば絶大な人気でまだ相当な票が集まり、おこぼれにあずかれるとの思惑といわれても仕方ない。

 石原氏は「選挙戦の応援はできるが、当選後に倒れては選んでくれた国民に申し訳ない」とも話している。それなのに何とか慰留して選挙に引っ張りだそうというのは、投票箱にだけ目を向け自分の保身しか考えない身勝手な論理。集票マシンとしてあてにされる石原氏にとっては迷惑な話ではないのか。

 何のためかさっぱりわからない「大義なき選挙」に、早くもうんざり気味の国民から見れば大義なき出馬要請も茶番劇以外の何物でもない。説得は今後も続けられるというが、沈む夕日は、できればきれいなままで沈んでもらいたいものだ。 (今村忠)

(紙面から)