2014.11.16 05:00

【甘口辛口】ホステス経験で内定取り消しとはあまりに窮屈…女子アナに求められる清廉さとは

■11月16日

 東京・銀座のクラブには、とんと足が向かない。その隣の新橋あたりの安い居酒屋でたまにおだを上げるぐらいが、小欄の関の山だ。が、銀座の老舗クラブ経営者に10数年来の知人はいる。仮にK氏としておこう。温厚な性格の70代の好々爺で、中央競馬の馬主でもある。

 そのK氏が16日から毎週続くGI7連戦そっちのけで怒っていた。「クラブでアルバイトをしたぐらいで内定取り消しとは、かわいそう過ぎる。うちの店の女の子たちも『職業差別だ』とプンプンですよ」。東洋英和女学院大4年の笹崎里菜さんが、日本テレビを相手取って起こした裁判のことだ。

 銀座のクラブホステスのバイト経験を理由にアナウンサー職の内定を取り消されたのを不服として、来年4月からの就職を要求。対する日テレ側も争う姿勢で具体的な主張はしていないが、笹崎さん側は内定取り消し文書で「貴殿の経歴はアナウンサーに求められる清廉性にふさわしくない」と書かれていたと主張。「クラブで働く人は清廉さに欠けるというのは偏見だ」と批判する。

 ちなみにK氏の店の場合、ホステスの時給は4000円前後。それを目当てに、海外留学費用などをためるためバイトをする女子大生も多い。「ホステスは、普通なら会えない人にも会えて知らない世界の話も聞ける仕事。社会勉強にもなる。時給も高いので百歩譲って清廉とは言えないかもしれないが、人間性まで否定される扱いはおかしい」とK氏は憤慨する。

 そもそも『清廉』とは心が清らかで私欲がないという意味。女子アナという仕事がそんなにも清廉さが求められるとは初めて知った。門外漢には、あまりに窮屈すぎる気がしてならない。 (森岡真一郎)

(紙面から)