2014.10.24 05:00

【甘口辛口】マラソンブームもどこへ…不況で相次ぐエリート大会の廃止

■10月24日

 横浜国際女子マラソンが11月16日に行われる今年の大会を最後に終了するという。1979年に始まった前身の東京国際女子マラソンを含め、通算36回目で幕を閉じるのは財政難が理由とか。東京国際は「国際陸連公認の初の女子マラソン」がうたい文句で、外国の一線級が参加して数々の名勝負を繰り広げた。

 谷川真理、浅利純子、高橋尚子らスター選手が優勝者に名を連ね日本女子の黄金時代の基盤を築いた大会でもあった。2007年に市民参加の東京マラソンが始まり交通規制の問題で09年から横浜に舞台を移したが、最近は誰でも知っているようなスターが不在で、スポンサー収入の減少につながったという。

 カネの切れ目が伝統の切れ目…。アベノミクスで景気回復といっても恩恵にあずかっているのはごく一部らしく、こんなところにもひずみが出ている。低迷の原因も結局はカネ。「大学は女子駅伝が花盛りでも、受皿になる実業団チームが財政難で減少し最終的にマラソンを志す選手も激減した」と日本陸連・武冨豊女子マラソン部長。

 同じ女子マラソンでは、名古屋国際を受け継いで11年から市民参加型に方向転換した名古屋ウィメンズが、完走賞の「ティファニー」製ペンダントの人気もあって1万5000人が走る大規模大会として定着した。とはいえ、市民大会がいくら人を集めても強化にはつながらない。

 女子のエリート大会は、数々の好記録が出て世界的にも評価の高い大阪国際だけになる。「エリートのみの大会は難しくなるが、メディアに出ることで選手は励みになるのも事実」と武冨氏。新たな大会創設など東京でまかれたタネを、ぜひとも大事にしてほしい。 (今村忠)

(紙面から)