2014.7.15 05:00

【甘口辛口】寝耳に水の貴乃花親方休場…“公益”財団法人ならファンの気持ち考えて

■7月15日

 大相撲の貴乃花親方(元横綱)が13日に始まった名古屋場所を休場している。先月中旬に両耳の手術を受け、11日まで三重・桑名市の部屋で指導していたが、12日に体調不良のため帰京し検査のため入院したという。「大したことはないと聞いている」と関係者は話しているが、何となく釈然としない。

 親方(理事)は総合企画、指導普及などの部長として協会執行部にいる。そんな重きをなす人が本場所休場。昔の相撲界なら尋常ただならぬこととして大騒ぎになったものだ。「休むと、次の選挙で理事の椅子がなくなっちゃうよ」と笑い、病身にむち打って場所入りしていた今は亡き某理事を思いだす。

 時代は変わり今は何よりも健康が第一。休場は仕方ないが、問題はその伝わり方だ。今場所は平日9日間(1日20マス)の『貴乃花と記念撮影付チケット』が人気で既に完売している。休場がわかったのは初日前夜で協会は公式サイトに掲載した。しかし、親方衆でさえ多くは「初日の新聞で知った」ほどで、楽しみにしていたファンはそれこそ寝耳に水だったろう。

 北の湖理事長(元横綱)は「ファンに迷惑をかけた」と話している。それなら病状は個人情報で明かせないまでも然るべき立場の親方が会見して事情を説明し、本人のメッセージを伝えるべきだろう。琴欧洲親方(元大関)が代役を務めるとはいえ、ファンの気持ちを大事にしているとは思えない。

 春場所部長時代、あの手この手のファンサービスで奮闘したのが貴乃花親方だけに今回の対応は残念だ。自分たちのため、ではなく必要としている人たちのために活動するのが公益財団法人のはずだが、これでは公益がついた意味がない。 (今村忠)

(紙面から)