2014.4.9 05:00

【甘口辛口】「文武両道」を謳わなくても、学生の認識も本来の姿に近づいてほしい

■4月9日

 「文武両道」を目指し、早大が44の運動部に所属する約2400人を対象にした「早稲田アスリートプログラム(WAP)」を今年度から実施するという。4年で卒業することを目標に、各学期ごとに取得すべき最低基準単位を設け2学期連続で下回ると、練習参加制限や試合出場禁止もある、というから厳しい。

 かつては「オレは早稲田を勝たせるために入った。授業なんか出られるか」という剛の者もいて文武の「文」は軽視されたが、さすがにいまは通じないようだ。早大出身以外の教員が多くなり、「母校のために頑張っている運動部員を特別扱いする、昔ながらの風潮がなくなったことも背景にある」と関係者は言う。

 授業重視は学生スポーツの全体的な流れでもある。12日から始まる首都大学野球は今春からリーグ戦の形態を変えた。従来は東京六大学などと同じ勝ち点制で土、日で1勝1敗になった場合、月曜日に3回戦を行っていた。しかし、今季から3回戦は行わず、2回戦総当たりによる勝率で順位を決めることになった。

 授業を犠牲にする平日の試合は以前から検討課題になっており、加盟校にアンケート調査した結果、リーグ創立50周年を機に踏み切った。首都連盟の宮下潤事務局長は「プロなどで野球を続けられるのはほんの一握り。多くは一般社会の様々な分野で活動していくことになる。そのためにも学業は大事にしてほしい」と話す。

 米大学スポーツの花形アメリカンフットボールでは、中心選手でも学業成績が悪いと試合に出場できないという。日本も「文武両道」をわざわざ謳わなくても、学生が当然のこととして認識する本来の姿に少しでも近づいてほしい。 (今村忠)

(紙面から)