2014.4.4 05:00

【甘口辛口】協会内で着実に出世する貴乃花親方…土俵の「危機管理」にも期待

■4月4日

 “第2次北の湖内閣”の陣容が3日、日本相撲協会から発表された。目玉は総合企画部長、危機管理部長などの要職を担って執行部入りした貴乃花親方(元横綱)だろう。41歳。新事業部長の八角親方(元横綱北勝海)が協会NO・2なら、貴乃花親方はNO・3。順風満帆の出世コースではある。

 3月の春場所中は担当部長として連日正面玄関で握手会を開き、ファンが長蛇の列を作った。いまだに現役顔負けの人気者でもある。土俵には新横綱鶴竜という目玉もできた。公益財団法人として衣替えした協会としては長い冬の時代が去って、ようやく春本番を迎えた気分だろう。

 ただ、ファンサービス面の切り札でも貴乃花親方には「担当外」といわず土俵にも目を向けてほしい。春場所では白鵬-稀勢の里戦で「待った」が3度あり、打ち出し後両者が審判部に呼ばれ注意された。横綱、大関が揃って呼び出されるなど前代未聞の醜態だ。白鵬は初顔合わせの遠藤戦で立ち合い右から張った。横綱がやることではない。礼儀作法を含め土俵は乱れきっている。

 力士は番付社会の習性で、親方でも現役時代の地位によっては「オレより下」と見くびることもある。だからこそ「平成の大横綱」といわれ力士と年齢も近い貴乃花親方には、礼に始まり礼に終わる相撲の基本を叩き込んでもらいたい。早速、全力士を集めて立ち合いの研修会を開く必要がある。

 親方は横綱時代、兄若乃花について「相撲の基本がない」と評して世間を驚かせた。兄弟間に確執があったとはいえ、親方の相撲に対するまっすぐな気持ちがいわせたのだろう。その気持ちを忘れず、土俵の「危機管理」にも手腕を発揮してほしい。(今村忠)

(紙面から)