2014.3.30 05:00

【甘口辛口】プロ野球開幕 チームも意気上がる意外な選手の決定打、今年はどんな伏兵が?

■3月30日

 人生と同じく野球の醍醐味は逆転にある、と勝手に思っている。待ちに待ったプロ野球が28日に開幕。29日も合わせたセ、パ両リーグ12試合のうち、半数の6試合が逆転勝利だった。とりわけ意外な選手が試合を決めると、チームも意気上がる。対阪神の開幕戦で8番・中堅に入った巨人の入団6年目、橋本到外野手もそうだ。

 対ロッテのオープン戦で今月、2打席連続で空振り三振し、原監督から「だらしない」とカミナリを落とされたばかり。「重心を下げろ」と直接指導され、本来の力強いスイングを取り戻した。開幕スタメン起用されると、同点から勝ち越しの2点適時打。ナインの奮起を呼び、開幕戦で初の先発全員安打につながった。

 同じく巨人の外野手の活躍で、今も打球を忘れない試合がある。長嶋茂雄第1次監督時代の1976年6月8日。当時大学生で巨人ファンだった筆者は、後楽園(現・東京ドーム)で行われた対阪神の観戦へ。九回裏二死まで0対2と敗色濃厚の中、満塁で5番・末次利光。左腕・山本和の直球をとらえた打球は、頭上の左翼外野席で跳ね上がった。

 球史に残る逆転満塁サヨナラ本塁打。末次が普段、地味な分、痛快だった。その年、長嶋巨人は前年の最下位からリーグ初優勝。あの一発が貢献したと言えるだろう。末次氏は現在、母校の中央大硬式野球部OB会会長。巨人の開幕直前に東京ドームで行われた球団創設80周年セレモニーに元気な姿を見せ、感慨深いものがあった。

 巨人は29日、敗れたが、橋本は安打を放って気を吐いた。他球団も含め、今年はどんな伏兵が活躍するのか。記録にも記憶にも残るドラマで、ファンの人生も活気づけてほしいものだ。(森岡真一郎)

(紙面から)