2014.3.28 05:00

【甘口辛口】森会長の息のかかった人たちが運営、東京五輪の主役はスポーツ界なのに

■3月28日 

 船頭多くして船山に登る、という。2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会では、理事34人が初めて集まった理事会が26日に開かれた。当初の予定では25人で、各界の顔をたてたらどんどん増えてこの人数になったとか。各理事の所信表明はごく手短だったが、それでも約30分かかったという。

 体操のロンドン五輪代表で人気者の田中理恵さんや、バレーボール出身のヨーコ・ゼッターランドさんら女性理事も7人。IOCが掲げる「女性比率20%」の基準を満たした。まさに老若男女。「オールジャパンを代表するみなさん」(森喜朗・組織委会長)という、にぎにぎしい顔ぶれである。

 しかし、関係者からは「人材過多で議論になったら収拾がつかない。結局は上の意思決定機関で決めたことを追認するだけになりそうだ」と危惧する声が早々と聞かれる。主役であるはずのスポーツ界も、竹田恒和JOC会長が6人いる副会長の1人で序列も4~5番とか。「本来なら第1副会長になるべき人なのに自薦をためらった」と、JOC関係者は残念がった。

 2012年ロンドン五輪では陸上中距離の五輪金メダリストで、招致に尽力したセバスチャン・コー氏がそのまま組織委会長として腕を振るった。16年リオも、バレーボール元五輪選手で招致に奔走したカルロス・ヌズマン氏が引き続き組織委会長だ。内外で一目置かれるスポーツマンがリーダーシップを発揮し、スポーツ界中心に進めるのが五輪ではないか。

 東京五輪は結局、森会長の息のかかった人たちが運営を取りしきる、きわめて日本的な組織といえる。理事の数は多くても船は前には進みそうだが、底が浅すぎないか気がかりだ。(今村忠)

(紙面から)