2014.3.27 05:00

【甘口辛口】“はにゅう”フィーバーに湧くゆるキャラの聖地…“はぶ”は投了寸前!?

■3月27日

 「羽生」は「はぶ」とも読む。言わずと知れた将棋の羽生善治3冠(王位、王座、棋聖)。1989年に史上最年少19歳2カ月で初タイトル(竜王)を獲得後、あらゆるタイトルを手にし「最強」の名をほしいままにした。おかげで埼玉県の北東に位置し、群馬県と隣接する羽生市は長い間「はぶ」と間違えられたという。

 田山花袋の小説「田舎教師」の舞台として知られる程度で、市としてこれといった特色もなかった。ところが、2010年秋に初めて開いた「ゆるキャラさみっと」が年々人気となり、昨年は海外を含め全国から452体のキャラクターが結集。ギネスブックに載り、観光客も2日間で45万人を数えた。

 全国に「はにゅう」が認知されるまでには至らなかったようだが、2月のソチ五輪で一変した。「フィギュアスケートの羽生選手のおかげで、市の名前も日本はもとより世界中に発信できた」と河田晃明市長。五輪の男子SPが終わった時点で金メダルを確信した有志により「羽生市勝手に応援団」も結成されたという。

 もっとも、26日に始まった世界選手権の応援プランは「そろそろチケット確保を」と気がついたのがとっくに完売になった後で、あえなくご破算となった。「いくらゆるキャラの聖地でも、のんびりしすぎた」と関係者。同じ埼玉県内でも、会場の「さいたまスーパーアリーナ」は遙か彼方…。

 代わりに28日の男子フリーでは、市内の体育館ロビーに大型スクリーンを設置し市民を集めて応援する。「こういった活動を通じ羽生選手にも市の存在を知ってもらい、お互いの発展につなげたい」と市長。さすがの「はぶ」も、そろそろ投了するしかなさそうだ。 (今村忠)

(紙面から)