2014.3.12 05:00

【甘口辛口】疑惑のSTAP論文、小保方さんは自ら経緯を説明し早くすっきりさせた方が

■3月12日

 世界を驚かせた万能細胞「STAP細胞」研究で、小保方(おぼかた)晴子さん(理化学研究所)の論文の足下が、おぼつかなくなってきた。論文の共著者である若山照彦・山梨大教授が「信用できなくなった」と会見で言い切った。論文に小保方さんの博士論文の画像が転用された可能性があることが分かったから、という。

 1月に英科学誌「ネイチャー」に論文が発表され世界が絶賛。小保方さんの共同研究者である米ハーバード大の教授は、脊椎損傷でまひを起こしたサルからSTAP細胞を作り移植に利用する実験で「驚くべき成果が出ている」と語り、若返りも含めた再生医療への応用など夢がいっぺんに広がった。

 しかし、2月以降論文の不自然さが指摘されるようになり、若山教授も小保方さんや他の共著者たちに論文の取り下げを呼びかけた。教授は「自分がやった実験が何だったのか、わからなくなった」とも言ったが、当事者がわからないのでは門外漢は、いくら説明されてもわかるはずがない。キツネにつままれたような気分だ。

 30歳と若く、美人で祖母譲りのかっぽう着姿で実験に明け暮れるというインパクトの強さ。テレビでは小保方さんの少女時代の卒業アルバムや文集の詩まで紹介した。本筋から外れたところで大騒ぎされたのは気の毒だったが、細胞作製方法の国際特許など競争の激しい世界だけに、功を焦ったとしてもフシギではない。

 論文を取り下げると著者や団体の受けるダメージは大きく、研究生命を絶たれることもあるという。論文の根幹に自信があるなら小保方さんは自ら経緯を説明し、名前の「晴子」のように早くすっきりさせた方がよさそうだ。(今村忠)

(紙面から)