U18アジア野球選手権は結果だけでなく、「草の根交流」の野球振興の側面も

甘口辛口

 ■9月6日 打球の速さが段違いで守っている野手が大けがをしないかとハラハラした。開催中のU18アジア野球選手権1次リーグ。5日の韓国戦からようやく選手権大会らしくなったが、日本が26-0(五回コールド)で勝った初戦の香港戦や、15-0(同六回)のスリランカ戦などは差がありすぎて見るに忍びないほどだった。

 香港もスリランカも体格が一回り小さく、野球の技術も中学生ぐらいのレベルに見えた。アジアの野球振興という大義名分は分かるが、途上国と強豪国が最初から同じ土俵に上がって対戦する大会の運営方法にも問題があり、甲子園のスターを並べて試合する意味があるのかと首をひねった。

 「侍ジャパン」がビジネスとして確立されU18もその一翼を担っている。しかし、選手は一生懸命でもBSでのテレビ中継は「何これ」といった感じで逆効果だったかもしれない。吉田(金足農)のように甲子園で881球も投げ「投球過多」が問題になった投手が、ほとんど休みもないまま参加したのも気の毒でもある。

 女子野球でこんな話がある。昨夏、新設されたアジア杯が香港で開かれW杯5連覇中の日本は高校生主体で臨み5戦全勝で初代王者になった。それもただ強さを見せつけただけではない。「インドやパキスタンなど途上国との試合後は、それこそボールの握り方から基本を選手たちみんなで教えて感謝され、本当の草の根交流になった」と関係者。 

 要は参加する側の気持ちの持ちようだろう。用具メーカーからは途上国にグラブのプレゼントはあったが、それだけでなく選手にとっては教えることも得難い体験になる。アジアの野球振興のためにはそこまで考えてもいい。 (今村忠)

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