無自覚な自転車のスマホ運転に厳罰を

甘口辛口

 ■8月29日 イヤホンで音楽を聴きながら飲み物の容器を持った右手で自転車のハンドルを握り、左手でスマートフォン操作…。こんな無謀な運転で昨年12月、川崎市で77歳の女性に衝突し、脳挫傷で死亡させて重過失致死の罪に問われた20歳の元大学生の女性に横浜地裁川崎支部が禁錮2年、執行猶予4年(求刑禁錮2年)を言い渡した。

 「歩きスマホ」でさえ人に迷惑をかけるのに、まるで曲乗りのような「自転車スマホ」がどれほど危ないことか、この女性はわかっていないらしい。「急いでいたことが事故原因」と悪びれずに述べ、裁判長が「運転態度について内省が深まっていない」と指摘したという。

 これなど氷山の一角で小欄の知人の奥さんも自転車で信号待ちして青で渡ろうとしたとき、横から突っ込んできた女子高校生の自転車にぶつけられ横転した。やはりスマホ運転らしかったが、謝りもせず人が駆け寄る前に逃げたという。60代の奥さんは膝や腰の後遺症に悩まされているそうで知人は「打ち所が悪かったらと思うとゾッとする」。

 スマホを見ているとき視界は通常の20分の1に狭まるといわれる。歩行者が見えなくなるのも無理はない。警察の取り締まりが緩いのか、こんな危険運転が野放し状態とは恐ろしいかぎりだ。「判決は母の命の重さに対し非常に軽いと感じる」と訴えた川崎の被害女性の遺族ならずとも判決は軽すぎると思った人は多いだろう。

 遺族は「スマホ運転の厳罰化を強く望む」ともいった。自分本位で「内省」が深まっていない元大学生の女性には同情の余地などない。一罰百戒の意味でも執行猶予をつけず、人の命の尊さを身にしみて悟ってもらいたかった。 (今村忠)

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