金足農の快進撃支える秋田県の強化プロジェクト 理論や練習法を共有、学童野球の充実も

甘口辛口

 ■8月21日 秋田県勢で夏の甲子園103年ぶりの決勝進出を果たした金足農は、21日が2学期の始業式…。秋田県の規定で高校の夏休みは20日までと決まっているそうだが、もちろんそれどころではない。甲子園では全校生徒の半分、連泊可能で募った約250人が17日の横浜との3回戦から京都市の旅館に泊まり込みで応援している。

 「毎年、甲子園を見ていて8月いっぱい夏休みの府県はいくら勝ち進んでもいいけど秋田は困る、と冗談半分でいっていたのが本当になった」と松田聡教頭(54)。横浜戦のとき「よくここまできた」と留守部隊で話していたそうで、決勝まで勝ち上がったことは「まるで夢のよう」。

 小欄では先月26日、秋田代表になった金足農を取り上げ「高校日本代表1次候補で、プロも注目する150キロ右腕の吉田輝星がいて甲子園でも侮れない存在になりそうだ」と書いた。とはいえ、秋田代表のこれまでの戦績から1、2勝すれば上出来と思っていた。やはり夢を見ている感じだ。

 2010年まで13年間、秋田県勢は初戦敗退が続き11年に県をあげての強化プロジェクトを立ち上げた。社会人や大学の指導者から学んだ最新理論や練習法を各校が共有。底上げのため学童野球も強化の一環に加えた。金足農のような公立校でも、能力の高い選手が集まりやすい環境が整ったことも夢の快進撃の一因だろう。

 甲子園で1勝すると1000万円の出費とか。予算が限られた公立校にとってはお金が悩みの種だが、「2万人の卒業生には全員振込用紙を送っており、一般の方から寄付の問い合わせも殺到している」と松田教頭。始業式も当然順延…。心置きなく決勝を戦えそうだ。 (今村忠)

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