サマータイム導入で予想される厄介な問題 五輪ありきでない慎重な論議を願う

甘口辛口

 ■8月8日 甲子園で午前8時開始の第1試合の出場校は何時起きか。関係者によると大体4時には起き軽く練習して体を目覚めさせるという。睡眠は8時間として前夜は8時就寝になる。これがサマータイム(夏時間)導入で2時間繰り上がると今の午前6時開始となり前夜は6時就寝? 高校生がそんな時間に寝付けるとは思えない。

 東京五輪の酷暑対策として急浮上したサマータイム。東京五輪組織委員会の森会長が安倍首相に要請したのがきっかけで来年から2年限定、2時間繰り上げの方向で検討されるとか。森会長は7日にも首相官邸を訪れ再度要望したが、「国民の日常生活に影響が生じる」(菅官房長官)と政府側からは慎重論も聞かれる。

 これまでも、地球温暖化や節電対策として国会で何度も議論されては頓挫した。サラリーマンなら仮に午後5時退社は2時間繰り上げで3時。まだ暑い盛りで、涼しいオフィスに残って残業した方がましとなる。コンピューターのシステム変更など厄介な問題も生じ、生体リズムの狂いで体調を崩す人も続出するだろう。

 五輪で暑さの影響が最も大きいのはマラソンと競歩。午前7時のマラソンは5時スタートとなり、涼しいうちに終えられる。確かに夏時間がピタリはまって究極の熱中症対策にはなる。とはいえ、2時間ちょっとのマラソンのために6-8月の3カ月にわたり国民生活が混乱しては本末転倒だろう。

 政府提出法案でなくまずは議員立法として超党派で成立を目指す方針のようだ。何でもかんでも五輪ありきでなく慎重な論議を願いたいが、国民を巻き込む前にマラソンのスタートを2時間繰り上げれば、と思うのは小欄だけだろうか。 (今村忠)

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