剛腕板東が60年ぶりの高校野球のマウンド!レジェンド始球式でストライク宣言

甘口辛口
板東英二

 ■8月7日 大会最多奪三振「83」。60年前の全国高校野球選手権大会(1958年)で、いまだに輝き続ける大記録を打ち立てたのは徳島商の板東英二だった。延長18回引き分け再試合の適用第1号となった準々決勝の魚津(富山)戦(0対0)の25奪三振は、1試合最多奪三振の参考記録でもある。

 まさにレジェンド。100回記念大会に興趣を添えるレジェンド始球式では78歳になった板東さんも16日に“登板”する。「松井(秀喜)くんはワンバウンドだったけれど、僕はピッチャーだからストライクしかない」と夕方、大阪市内の自宅近くのグラウンドでバックネット相手に多い日は100球近く投げ込んでいるそうだ。

 徳島商時代は試合前、練習場で300球、球場入りしてブルペンで100球投げ試合に臨んだ。当時は部員難で三塁手は野球経験のない急造。「三塁方向に打たせてはまずい」との思いで気づけば三振の山になった。「練習は夜11時まで。水は一滴もだめ。きれいごとではなく地獄のような3年間だった」と振り返る。

 徳島商から中日入りし11年間で77勝。引退後は野球解説のほかタレントとしても大活躍したが、2012年に所得隠し問題が発覚し表舞台から姿を消していた。「始球式を僕なんかがやっていいのかと驚いた。18回を投げ合った魚津の村椿(輝雄)さんの方が適任ではないかと…」。

 問題発覚後、知人の「蟄居(ちっきょ)三年」の助言を守り、毎日の投球も実は無心になるため当時から始めていた。3年はすぎ、いまはラジオ中心に仕事をこなしている。「80(歳)近くでも投げられる。その思いを込めたい」。剛腕板東、60年ぶりの高校野球のマウンドが楽しみだ。 (今村忠)

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