2021.5.18 12:00

【球界ここだけの話(2327)】阪神戦炎上で2軍降格の巨人D1位・平内に首脳陣が期待したこと

【球界ここだけの話(2327)】

阪神戦炎上で2軍降格の巨人D1位・平内に首脳陣が期待したこと

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巨人・平内

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 巨人のドラフト1位・平内龍太投手(22)=亜大=が17日、出場選手登録を外れた。首位との直接対決となった前日16日の阪神9回戦(東京ドーム)で2-2の四回から2番手で登場し、2死しか取れず4失点KO。プロ初黒星で防御率は14・40に悪化した。ただ、今回の抹消は単に打たれたから降格、というわけでもなさそうだ。

 不安定だった先発の今村が3回で降板し、回ってきた出番だった。原監督は試合後「流れを何とか変えたいというところで、平内に託した」と起用の理由を語っている。また、宮本投手チーフコーチは「良ければローテ、というところ。一番のチャンスを与えた」と証言。つまり、首脳陣は大きな期待を寄せて送り出していた。

 プロの世界は、まれに訪れる「ターニングポイント」で成功した者のみが生き残る世界だ。年功序列で権限や責任が増えていく、これまでの日本の会社員のようにレールが敷かれているわけではない。抑えれば天国、打たれれば地獄。平内の登板は、まさにそんな場面だった。

 阪神打線を抑えて勝利に導き、それを足掛かりに一気に主力へ上り詰めてほしい-。首脳陣には、そんな計算があったはず。同時に、手駒には「首位の勢いを止めた投手」が一人加わることになる。これは、長いシーズンを戦う上で大きなプラスとなる。

 原監督は元々、選手の力が最大化された時の戦力を計算して戦うタイプだ。5月2日の移動日に、不振に苦しむ丸のスタメン落ちを報道陣にチラつかせると、翌日に丸は同点弾を含む3打数2安打をマークした。

 移籍直後の4月にスランプだった梶谷には、前日にグループLINEで梶谷を外したスタメンを発表した上で、試合前に監督室で話をして先発で起用し、再生させたこともあった。不振の主力を外すのは簡単だが、本来の力を取り戻させて戦う方が勝つ可能性は高くなる。

 平内に話を戻すと、首脳陣が右腕に期待したのは、勢いに乗る首位・阪神を抑えて反攻の原動力となることだったのだろう。ただ、打たれはしたが、その可能性が消えたわけではない。宮本コーチはこうも語っている。「しっっかりファームで大きく育てたい」。次の1軍登板は、首脳陣が期待する本来の力を発揮するときだ。(伊藤昇)